リウマチが心配の方・リウマチでお悩みの方へ

診療・各部門

会議風景両手が朝こわばる、お昼過ぎまで調子が出ない、微熱が続く、手の関節がはれて痛む、といった症状でお困りの方はたくさんいらっしゃると思います。またこんな症状をお持ちで何件かのお医者さんにかかられても原因がわからない方も多いと思います。是非私どもの病院でリウマチ専門医の診察を受けてみませんか?案外リウマチが見逃されていることが多いものです。 外来診療をしていると患者さんからたくさんのリウマチに関する質問を受けます。以下に実際に受けた質問を挙げてみます。Q&A形式でお答えしてありますから、これを読んでいただければリウマチに対する理解が深まると思います。皆さんも同じ疑問を持たれたことがあるのではないでしょうか?

そもそもリウマチとはどんな病気なのでしょうか?

正確には関節リウマチといいますが、一言でいえば「全身の関節が徐々に壊れていく病気」と言うことができます。まだ原因はわかっていませんが、もともとリウマチになりやすい体質いいかえると遺伝的要因が原因の40%近くを占めているといわれています。これにストレス、疲労、ウイルス感染などが加わって、体の中の免疫機能の一部が正常に働かなくなって発症します。少し難しいのですが、外界からの異物に対してのみ反応する免疫システムが、自分の体、特に骨・軟骨に対して過剰に働きこれを破壊してしまう、そんな病気なのです。そのためリウマチは自己免疫疾患という病気のグループの一つに入れられているのです。

リウマチは治るのですか?

リウマチの世界では、完全に治るという言葉は慎重に使われています。なぜなら全く症状がなくなっても何年かして「再燃」する場合があるからです。また20年前まではリウマチは不治の病とまで言われていたことも事実です。しかしここ10年の医学の進歩でその治療成績は飛躍的に向上しました。従って適切な時期に適切な専門医のもとで治療を受ければ「治ったかのようになる」(寛解といいます)ことも十分に可能となってきました。

リウマチがひどくならないために日常的に気をつけることは何ですか?

まずストレスのない生活を心がけましょう。そして規則正しい食生活、十分な睡眠(ただし高い枕は避けましょう)、なにより陽気に楽しく暮らすことです。決して頑張りすぎてはいけません。「リウマチと闘って勝つんだ」という気持ちも時として必要ですが、基本的にはリウマチとうまく付き合っていくという姿勢が大切です。

リウマチに効くサプリメントを教えてください。

残念ながら現在のところありません。たまに新聞や通販の広告で「リウマチはこれで治る!」という文字を目にします。「少しでもよくなりたい」という気持ちでこれらのサプリメントを購入される方も多いと思います。しかし、その後リウマチという病気が完全に撲滅できたというニュースは耳にしませんね。またそんなに効果があるものなら日本の政府・厚生省がリウマチ薬として認可しているはずですね。無論、体全体の調子を整えるという意味で、ビタミンやカルシウムといったサプリメントを摂取することはよいと思いますが、「リウマチを治す」サプリメントは現在のところないという事だけは憶えておいてください。

リウマチのお薬を処方されたが院外薬局の人に「これはステロイドといって強い薬だよ」と言われて心配になりました。

リウマチの薬物療法に関してよく聞かれるご質問です。リウマチの飲み薬は大きく分けて3種類あります。お尋ねの「ステロイド」(プレドニゾロン、プレドニン、レダコート、メドロールといったお薬)、「痛み止め(抗炎症薬)」(ロキソニン、ボルタレン、セレコックス、モービックといったお薬)、それに「抗リウマチ薬」(リマチル、アザルフィジン、リウマトレックス、メトレート、アラバといったお薬)です。ひとりひとりのリウマチ患者さんに合わせて、これら3種類のお薬を組み合わせて使います。もちろん治療の初期段階でリウマチの具合が悪ければ少量のステロイド剤を使うこともあります。お薬の効果と副作用の説明を十分に受けて納得してお薬を飲むことが大切です。リウマチの具合がよくなってくればお薬の量や種類もだんだん減ってきます。

生物学的製剤について教えてください。

生物学的製剤とは、「体の中のある特定の分子を標的とした新しい治療薬」です、というと少し難しく聞こえるかもしれません。しかし実はその原理は案外簡単なのです。例えば皆さんがよくご存知の破傷風という病気、これは破傷風菌が作り出す破傷風毒素が原因で放っておけば死に至る恐ろしい病気です。この場合、破傷風毒素に対する血清(抗体)を投与します。血清(抗体)は毒素とだけ結合してその効果を打ち消し、その結果病気が治るというわけです。リウマチの生物学的製剤もこれとほぼ同じ理屈です。リウマチの患者さんの体内では「TNFアルファ」や「インターロイキン6」といった分子が多く作られているということがわかっています。そこでこれらに対する抗体を作って投与すれば、リウマチが軽くなるのではないかという考え方です。現在日本で使用できるリウマチに対する生物学的製剤は4つです。「TNFアルファ」を標的とした治療薬として「レミケード」「エンブレル」「ヒュミラ」の3つ、「インターロイキン6」を標的としたものとして「アクテムラ」があります。私たちはこれまでの6年間に100名を超えるリウマチ患者さんにこれらのお薬を使用した経験があります。詳しいお話をお聞きになりたい方は是非私たちリウマチ専門医をお訪ねください。

「手術が必要」といわれました。手術は怖いのですがどうすればいいのでしょう?

確かに手術を受けることは怖いですね。お気持ちはよくわかります。世の中にはいろいろな考え方のお医者さんがいます。ある先生は「手術は絶対やめなさい」と言うし、別の先生は初めて会ったその日に「これは手術したほうがいいですね」と言います。どちらが正しいのでしょうか?残念ながら答えはありません。時と場合によって手術を選択することが正しい場合もあれば、手術をしてはいけない場合もあります。では患者さんの立場ではどう理解すればいいのでしょうか?私たちはこう考えています。「リウマチの治療においてお薬と手術は車の両輪です。どちらか一方だけの治療では必ず行き詰ってしまう」と。理想的なリウマチ専門医とはお薬による治療と手術とを両方とも上手に行うことができる医師と考えています。適切な時期に適切な手術を行うことはリウマチ患者さんの生活レベルを飛躍的に向上させます。1年かかって手術を決心した患者さんがその後「先生の言うとおりもっと早く手術を受けていればよかった」と嬉しそうにおっしゃることはよくあります。逆に「今手術のやり時ですよ。でないと車椅子の生活になってしまいますよ」とお話した患者さんが3年後に「先生の言うとおり歩けなくなったから手術してほしい」と外来にやってくることもあります。いずれにしても手術は一大決心、とにかく信頼できる先生とよくお話した上に決心しましょう。

まだまだたくさんのリウマチに関する疑問、質問がおありかと思います。 是非私どものリウマチ外来をお訪ねください。

arrow072_12「リウマチ科のご紹介」はこちらをご覧ください。

arrow072_12「リウマチセンターのご紹介」はこちらをご覧ください。

arrow072_12「初診患者様の予約診療について」はこちらをご覧ください。