人工関節手術をお考えの方へ

人工関節手術前後

変形性股関節症や変形性膝関節症、リウマチで股関節や膝関節の痛みがあり、他の病院で人工関節手術を勧められたが不安があり手術にふみきれない、あるいは本当にその手術が適切なのか?このようなことでお悩みの方は当院にご相談ください。エキスパートの整形外科医師、リウマチ科医師が豊富な経験に基づいて診断し、患者様にとって最良と思われる治療計画を立てご理解、ご安心いただけるよう納得のいくまで説明いたします。

人工関節とはどんな手術ですか?

加齢とともに体重をうける役目の軟骨がすり減るのは避けられないことで、すこしづつ痛みを伴い歩行することも困難になります。この悪くなった軟骨部分を切り取って人工の金属や高分子ポリエチレンに取り変え、痛みのない生活を取り戻すのが人工関節手術の目的です。これらの病気をひきおこす主なものは変形性膝関節症、変形性股関節症、骨壊死、関節リウマチなどです。当院では患者様の病態にあわせMIS(Minimally Invasive Surgery)という手術をおこなっております。股関節の場合、通常15~20cmの切開が必要だった従来の手術方法に比べ半分以下(7~8cm)の切開でおこない、筋肉や周辺軟部組織へのダメージも最小限に押さえ、早期のリハビリ、社会復帰が可能になります。

術前、術後のすごしかたを教えてください

外来診察で手術日が決まりましたらさかのぼって2週間前から自己血輸血の準備をさせていただきます。通常人工股関節手術では800cc(2回分)、人工膝関節手術では400cc(1回分)の自己血を外来で採血します。手術日の2日前に入院していただき心電図検査や呼吸機能検査など麻酔に必要な検査をうけていただきます。またあいた時間を利用して担当の看護師、リハビリ担当理学療法士より手術前後の注意点や処置について説明があります。また担当医からも手術についての詳しい説明があります。疑問に思うことや不安の点は気軽にスタッフ等にご質問ください。

手術後の痛みはひどいのでしょうか?

手術室では専門の麻酔科医が背中にカテーテル(細いチューブ)をいれ痛みをとる投薬や輸液をおこないます。このカテーテルは術後の痛みの処置にも使用され麻酔のさめた後も適宜、鎮痛剤が投与されます。看護師が付き添って関節の運動や血栓の予防のための適切なケアが行われますので、ひどい痛みを感じるようなことはありません。

術後のリハビリテーションはどうなっていますか?

術後は担当の理学療法士の指導のもとで、日常生活に早期に復帰するためのリハビリテーションプログラムが開始されます。炎症や腫脹がおさまるにしたがって、歩行器、つえの順に使用し、退院前には階段の昇り降り、入浴など日常生活の訓練をします。リハビリは退院後も自分で生活ができる程度の回復を目安としています。はやければ2週間程度の訓練で退院することも可能ですが、日本の家屋事情等も充分考慮し、患者様自信に不安が残るようであれば回復期リハビリテーション病棟へ移っていただき納得のいくまでリハビリを継続することができます。平均で1ヶ月程度の入院となります。当院では入院期間は短ければ短い程よいという現在の社会風潮に疑問をもっており「患者様本位の安心して納得のいくまで」をモットーにスタッフ一同一日も早い回復を願っております。

退院後の生活はどうでしょうか?(継続的なリハビリテーションと管理)

近年の人工関節の発達は材質やデザインの改良、技術の進歩(MISもそのひとつです)で10年前とは大きくかわりました。普通の生活、軽いスポーツができる生活が可能になりました。多くの患者様が手術前の痛みから解放され、ゴルフやテニス、ボーリング等のスポーツを楽しんでいる方もおられます。適度な運動はリハビリテーションとして必要です。体重を増やさず、転倒や転落事故に充分注意をしていただき、筋力トレーニングを怠らずに、定期的な診察をうけていただきたいと思っております。

人工関節手術前後

人工股関節

人工股関節人工股関節置換術は、痛んで変形している股関節の部分を、人工股関節に置き換え、関節の代わりまたは補強をするものです。これにより痛みばかりでなく脚長差の補正や可動域の改善、荷重軸(体重をかける際の股関節、膝関節、足関節の軸)の矯正が可能になります。人工股関節は、コバルトクロム合金とチタン、高分子ポリエチレンからできた部品を組み合わせてできています。人工股関節の固定方法には骨セメントとポーラスという2種類があり、患者様の活動性に合わせて医師が最適なものを選びます。 当院は人工股関節置換術においてMIS(Minimally Invasive Surgery)という手術を受けることのできる日本では数少ない施設です。MISは国際的にも注目されている最先端技術を駆使した手術で、股関節の場合、通常15~20cmの切開が必要だった従来の手術方法に比べ半分以下(7~8cm)の切開ですみます。特別に訓練をうけた医師のみが可能で誰でもできるわけではありませんし、患者様自信の体格や病態、変形の程度で多少変わります。

人工膝関節

人工膝関節全置換術は損傷している骨の表面と軟骨を取り除き、金属やプラスチック、セラミックなどで作られた人工的な材料(インプラント)と置き換えるものです。痛みをとることが主な目的ですが、ひどいX脚やO脚をまっすぐにしたり、曲げ伸ばしが楽にできるようになったりします。日本式生活には膝関節が楽に曲げられることが重要と考えており、手術後すぐにCPMという器械を用いた可動域の訓練、理学療法士指導のもとでの歩行訓練がはじまります。入院期間は充分な訓練期間を含め長くても一ヶ月前後です。